永井路子、横山隆一、田村隆一、養老孟司、三木卓、辰巳芳子ら一流の著者の出版を手掛けてきたかまくら春秋社があなたの出版をお手伝いします。
「かまくら春秋」
連載
vol.10
鎌倉の自然をテーマに、先生が日頃思っていること、見つけたことを自由気ままに書いていただくコーナーです。ぜひご覧ください。
連載第10回 「『温暖化』問題」
新聞の大見出しでは、温暖化ガス排出二五％削減を、鳩山さんが公言したとしている。まあ、そういう話は年寄りとしては、どうでもいい。でもこの問題についての議論で、はじめから不明なことがいくつかある。
まず第一に、温暖化ガスでいちばん重要なのは炭酸ガスだから、それを減らすということになるわけで、それなら石油の消費を減らせばいい。ところが石油の消費は、モノ作りと物流には欠かせない。車を作ることを考えたらわかるであろう。原発を作ったって、話は同じである。石油を使わないで、原発が作れるか。
養老孟司先生プロフィールようろう・たけし
昭和12 年 鎌倉市に生まれる
昭和37 年 東京大学医学部卒業、１年のインターンを経て、解剖学教室に入る
昭和42 年 医学博士号取得
昭和56 年 東京大学医学部教授に就任（平成７年退官）
平成８年 北里大学教授に就任
平成10 年 東京大学名誉教授
平成15 年 北里大学を退職
平成元年 『からだの見方』（筑摩書房）でサントリー学芸賞を受賞
平成15 年 『バカの壁』（新潮社）で毎日出版文化賞を受賞
平成18 年 京都国際マンガミュージアム館長就任