「かまくら春秋」
連載
vol.7
いまの日本の「自然」には、あれこれ問題が多い。そのなかでも、スギやヒノキの人工林が面倒なことになっている。日本の森林は国土の七割弱、森林の四割が人工林、その人工林の八割が五十年未満である。この数字だけで、わかる人にはわかるはずだと思う。五十年に満たない材に、大きな価値はないからである。でも、それはいずれもっと太るはずである。木は勝手に生長するからである。
問題はそこではない。じつは人工林のスギやヒノキが、多くの場合「勝手に成長する」ようになっていない。そこが問題なのである。なぜか。手入れが悪いからである。それを間伐が足りないと、よくいう。......